民法に定められている期日の決め方

何か時間制限付きの約束事をするにおいて、どうやって期限を決めるのかということは重要なことです。

期間の計算(民法第138条~第143条)

相手と「○○までに」契約をするときに、お互いの認識が違っているとトラブルのもとになりかねません。民法ではそのトラブルを防ぐために期間の計算という項目が設けられています。

ここではいくつか具体的な話も取り入れてまとめてみます。

第138条 期限の計算の通則

ここでは、期限の計算は特別な状況がない限りはこの民法に従うとされています。逆に言えば、お互いにこれとは別の取り決めをした場合などは必ずしもこの民法が適用されるわけではないという風に考えられます。

第139条 期限の起算(秒、分、時間単位)

ここからが細かいルールとなります。第139条では秒、分、時間単位で期限が決められた場合についてのルールが規定されています。

4月10日 16:05
山田「田中、今からゲーム貸すけど60時間以内に返せよ!」
田中「お、おぅ・・・」

上のやり取りの場合、タイムリミットが始まるのは即時となっています。そのため、上のやり取りでは田中は約束をした10日の16:05を起点に、山田に60時間後の13日の4:05までにゲームを返さなければなりません。

第140条 期限の起算(日、週、月、年単位)

一方で、日、週、月、年単位で約束を結んだ場合はどうなるのでしょうか?

4月10日 16:05
佐藤「鈴木、100円貸すけど3日以内に返せよ!」
鈴木「お、おぅ・・・」

第140条においては、日、週、月、年で期限を決めた場合、その初日は期限に算入しないとしています。この場合、10日は期限には入れず、11からスタートの12、13と3つ数えて13日までに鈴木は佐藤に100円を返さないといけません。

ただし、時間に関しては「第141条:期間の満了」によると末日までとされているため、極端な話13日の23:59に返してもOKだと考えられます。

ただし、もし約束のはじめの時間が0:00だった場合はこの限りではないとしています(4月10日の0:00に約束したのであれば10日からカウントする)。また、商取引の場合は商法の縛りがあったりなどしますのでこれはあくまで極端な例として受け止めるべきでしょう。

第142条 期間の満了(満了日が休日の時)

4月10日(金) 16:05
わんわん社「にゃんにゃん社、100万円貸すけど2日以内に返せよ!」
にゃんにゃん社「にゃ、にゃぅ・・・(うち土日祝営業していないにゃん・・・)」

上の場合、第140条に当てはめて考えるならばにゃんにゃん社は2日後の12日(日)までに100万円を返さないといけません。しかし、第142条においては、期限の末日が日曜日と祝日に被り、なおかつその日は基本的に休みなのであれば末日はその翌日になるとしています。

つまり、上の例で言うとにゃんにゃん社は休日は普段営業していないので3日後の13日(月)に100万円を返してもよいという風に考えることができます。

上の例では会社同士の取引にしてみましたが、これが適用される範囲はもっと広いようです。

ちなみに、完全週休二日制の会社も存在しますが、第142条においては「その他の休日」という文言もあるため、土曜日に営業していないにゃんにゃん社にとっては場合によっては土曜日は「その他の休日」に当たる可能性があるかもしれません。

第143条 暦による期間の計算

週、月、年で約束をする場合、基本的には暦に従って計算することとなっています。

(A)2月10日 16:05
勅使河原「レンタカーを借りるぜ!」
レンタカー屋「1ヶ月の契約となります」
(B)2月10日 16:05
シャーリー「レンタカーを借りるぞ!」
レンタカー屋「30日の契約となります」
(C)3月10日 16:05
阿波根「レンタカーを借りよう・・・」
レンタカー屋「1ヶ月の契約となります」

今度は一気に3パターン用意してみました。どれも似たような内容ですが、勅使河原、シャーリー、阿波根の3人が車をレンタルできる日数は同じなのでしょうか?(全員約束を16:05にしていますので起算日はその翌日からとなります。また、この年は閏年ではないとします)

まずはAの勅使河原の場合・・・

ここで言う1ヶ月とは、数学的に言えば「起算日の月に1を足して日から1を引いた数字」が期限になります。起算日は2月11日ですので、さっきの計算をすると末日は3月10日となり、2月は28日までしかないため借りれるのは10日の日を除いた28日間ということになります。

次にBのシャーリーの場合・・・

30日となっていますので、第140条の時に出てきた佐藤と鈴木の例と同じになります。その結果、2月11日から30数えて3月12日まで借りれることになります。もちろん借りれる日数は30日間です

最期にCの阿波根の場合・・・

これはAの勅使河原と同じ計算となりますので、起算日が3月11日、末日は4月10日となります。日数は3月が11~31の21日間、4月が1~10日の10日間となり、合わせて31日間となります。

つまり、同じ1ヶ月っぽい約束でも阿波根が一番得をし、勅使河原が一番損をしているのです。

似たような文章であっても、こうやって法律に照らし合わせると実際には日数が異なってくるということなのです。

また、2月1日から1ヶ月の約束を結んだ場合は計算すると末日は2月31日という数字になりますが(1日から引くときはまず31日を考える)、そんな日は存在しない数字になったときは月末の日が末日となります。(この場合だと2月28日が末日。閏年なら29日)

注意点

ここに書かれた民法はあくまですべてのもととなる期日の計算方法が規定されています。状況によっては他の法律によって別の期日計算法が決められている場合がありますので、全ての期日計算がこの民法によって決められるわけではないということを留意しておいてください。

他の法律がある場合は基本的にそちらが優先となります。

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