民法の中身を見てみる 第2編「物権」中編

前編の続きです。後編ではなく中編です。

物権 第6章・第7章

第6章 地役権(第280条~第294条)

地役権とは、何らかの理由で他人の土地を自分のために使うことができる部分のことを言います。これだけの説明ですと、地上権となんだか同じような感じがしますが、その違いについてもここで説明します。

地役権というものが出てくるのは、たとえば以下のような状況が存在するときが考えられます。

この場合、このままだとAさんは周りが私有地に囲まれてしまっているため公道に出ることができません。そのため、AさんはBさんの土地の一部を行動に出るための道として使わせてもらうことにします。これが地役権です。

地上権と違って、地役権はあくまで他人の土地をちょっとだけ使わせてもらう・・・といった感じで使われることが多いと考えられます。

地上権と地役権を大まかに比較すると以下のような感じになります。

地上権 地役権
使用目的 土地のやり取り以外は自由 限定的な理由に限られる
土地を貸す方の干渉 基本的に干渉はされない 地役権を侵害しない程度に干渉できる
土地を借りる方の土地使用における地主の許可 許可を得る必要はない 地主と相談して新たに地役権を得る必要あり

第7章 留置権(第295条~第302条)

留置権とは、他人のものを正当な理由を持って一時的に自分のところにとどめておく権利です。これは具体例を出して説明してみます。

客「車壊れた・・・修理してくれ」
修理工場「代金は30,000円になります。一週間後に修理が終わりますのでその時にまた来てください」1週間後・・・客「おい、その車は俺の車だ! 早く返せ」
修理工場「いや、だから代金を・・・」
客「知るか! その車の所有権は俺にある!」

(こんなクレーマーは現実にいないと思うという突っ込みはナシの方向で)

客は修理工場に車を直してもらい、その対価として30,000円を払うという約束をしました。車を修理工場にあげるわけではないので所有権は客のままなのは事実です。

しかし、正当な約束をしたのに所有権を理由で無理やり車を取り返そうとしたのでは約束と違うので当然修理工場側は納得しません。こんな時に客に所有権がある車を「代金を払うまで返さない」と主張できる権利が留置権なのです。

留置権について注意しなければいけない点は上の例で言うと以下の通りです。

  • 修理が始まっていない段階で客が「やっぱり修理はいい」といったときは留置権は発生しない(第295条)
  • 修理工場は客の車を大事に扱わなければいけない。また、客がお金を払わないからと言って勝手にそれを売ったりして代金を回収することはできない(第298条)
  • ただし、車から発生する利益を代金回収に充てることはできる(第297条)※
  • 客が代金を払わなかったことによって修理工場が車を管理するための費用がかさんだ場合はその分の代金を客に追加請求することができる(第299条)
  • 修理工場は車の占有権を失うと留置権も失う。ただし、管理するために一時的に手放す場合を除く(第302条)

※車が何らかの理由で30,000円の利益を生んだ場合、それを客が払うべき代金として代わりに充てることができるということです(車が利益を生むことってあるのだろうか・・・)

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