民法の中身を見てみる 第2編「物権」後編

前回の続きです。今度こそ後編です。

物権の概要

私たちがどれだけの物権力を持っているのかが決められている内容となっています。物権という名称になっていますが、ここで決められていることは必ずしも目に見えるものとは限りません。それでは物権の中身を見ていきます。

物権 第8章~第10章

第8章 先取特権(第303条~第341条)

先取特権とは、何かを貸している人たちのうち、ほかの人よりも優先的に貸したものを返してもらうことができる権利です。代表的なものとしては従業員に対する未払いの給料などがこれに当たります。

第9章 質権(第342条~第368条)

質権とは、お金などをを貸している人が貸している人から何か物をもらってそれを持っている場合に、それを代わりに処分してお金を回収できることを指します。いわゆる「担保」のことですね。

動産質、不動産質、利権質の3つの項目に関して定められており、動産とは何かの物を、不動産とは土地や建物のことを、利権質とは株券や知的財産権などの何らかの価値があるものを指します。もちろん、何かの理由で渡せないものは質権の担保として決めることはできません。

A「5,000円貸して」
B「いいけど、その代りAのゲームソフトを預かるからね。期限までにお金返してね」
上記の例ではAはBに5,000円を貸す代わりに、Bのゲームソフトの質権を手に入れたことになります。もし期限までにBに5,000円が返ってこない場合は、AはBのゲームソフトを処分して手に入れたお金でその返済に充てることができるのです。

ただし、第349条の規定により、返済期限日より前に貸している物よりも不当に高額なものに対して質権を得るような行為は禁止されています(特別法で認められている場合はこの限りではありません)。これを認めてしまうと事実上お金を貸す側が相手からお金を搾取することができてしまうからです。

A「5,000円貸して」
B「いいけど、その代りAの(時価1,000万円相当の)高級車を担保にするからね。期限までにお金返してね」
こういうのはダメということです。

第10章 抵当権(第369条~第398条)

抵当権とは、第9章の質権と本質的な部分は変わらない法律です。質権と大きく違うところは、担保となるものが貸す人に移るかどうかという部分です。

先ほどの例のやり取りでは、AはBにゲームソフトを渡していましたが、Bが質権ではなく抵当権を手に入れた場合はAはBにゲームソフトを渡さずにゲームをし続けることができます。

もちろん、期限日までに借りた5,000円が返せなかった場合にBにゲームソフトを処分する権利があるのは言うまでもありません。

ただ、この例をそのまま使うのは間違っていて、抵当権として設定できるのは不動産、地上権、永小作権だけとなっています(ゲームソフトは動産に当たり、抵当権は設定できないと思われる)。

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