会社が倒産したら給料は優先的にもらえる? ~民法における先取特権~

倒産した会社は多額の債務を抱えているため、それらを返さなければなりませんが、そこには優先順位が存在します。

優先的に借金を回収できる権利

A社「資金がショートしたため倒産します」

銀行「貸したお金を返せ!」
従業員「未払いの賃金を払え!」

複数の人が債権・・・つまり、何か(お金など)を貸していてそれを返してもらう権利がある場合、債権者全員が平等に扱われるのが普通ですが、この先取特権を持っている人はほかの人よりも優先的に物を返してもらうことができます。

民法において、一般的に先取特権が発生するのは共益費用・雇用関係・葬式費用・日用品供給4つのパターンがありますが、この場合において効力を発揮するのは「雇用関係」の部分となってきます。

従業員の給料が一番優先される

会社が倒産した場合、会社は残った資産を借金をしている人たちに対して全て返す必要があります。当然、従業員に対する未払いの賃金も債務として扱われ、お金を渡す必要があります。

倒産した会社は大体従業員に対して給料の支払いが遅れている他、銀行からも多額の借金をしていることでしょう。もしこれを比例分配した場合、おそらくかなりのお金を貸しているであろう銀行がほとんどの資産をかっさらってしまい、従業員に入ってくるお金はかなり少なくなることが考えられます。

これを防ぐために、倒産した場合はほかの借金よりも優先的に従業員に対する給料の支払いに充てられることになっています。先取特権の中でも従業員にとってはかなり重要な部分になってきます。

こうした民法がある理由としては、同じ債権者の中でも銀行に比べるとどうしても立場が弱くなってしまう労働者を守るためのものであると考えられます。

労働者を守る法律は労働基準法にまとめられていますが、この先取特権に関する内容は大きな決まり事である民法の中にも書かれているのです。

ただし、お金がなければ意味がない

一言で倒産と言ってもいろいろな倒産が考えられます。たとえば、倒産したときに会社に資産と呼べるものがほとんど残っていなければ回収できる未払いの賃金は限定的なものになるでしょう。

これに対して国などが労働者を守るために別の法律を作っていますが、少なくともこの民法上においてはあくまで「倒産したら残った資産はまず労働者に渡すように」という大まかな決まりを作ったにすぎません。

実際に倒産の危機にあった時は、その時々に応じて様々な対策を講じる必要があるでしょう。

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