傷害罪と暴行罪、2つは似ているようで違いがある

傷害と暴行、2つは法的には意味が違います。今回は刑法の27章にまとめられている傷害の罪をまとめていきます。

傷害罪

傷害罪の中身は、人の体に危害を加えることを禁止した法律です。傷害を与えた場合、15年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます(第204条)。

一般的に暴力などの直接的なものが想像できますが、騒音などによって精神的にダメージを与えることも傷害に当たるという判例も出ています(「目覚まし時計 傷害罪」で検索すると出てきますよ)。

共通している部分は「相手がダメージを受けている」という部分です。傷害の程度は軽いものから瀕死状態になるまでの重いものも両方起こりうる可能性があることから、刑罰の幅は非常に広くなっています。

そして、傷害を与えたことによって相手が死亡した場合は第205条の傷害致死が適用され、3年以上の有期懲役となります。

また、他人が傷害を加えている場面を見て自らはそれに加わらなくても、その様子をあおるようなことをした場合は第206条の現場助勢が適用され、1年以下の懲役または10万円以下の罰金になります。

2人以上で傷害をあたえたら?

第207条は「同時傷害の特例」という法律が定められています。これは2人以上の人が傷害を加えたことによって、誰がどれだけ相手に重い傷害をあたえたのかが判断するのが難しいときに、共犯として扱うということです。

例えば、AとBがCに対して傷害を加えた結果、Cは出血したという時に、この出血の原因はAのせいなのかBのせいなのかということがわからない場合は、出血の原因はAとBの両方にあるという風に決めて同じ責任を負わせるのです(逆に、もし判別ができる場合は出血の原因を作った方が刑罰が重くなる可能性が高い)。

暴行罪

そして、この章にはもう一つ「暴行」に関する規定があります。傷害と暴行と聞くと似たようなニュアンスがありますが、ここで言う暴行とは「身体にダメージを与える危険性の高い行動を行ったが、相手にダメージは入っていない」事を指します。

このサイトのほかの記事では暴行という単語を実際にダメージを与えることという意味で書いている部分もあるため混乱しやすい部分ですが、法律における暴行罪とは上記のとおりです(短く言えば威嚇行為や、攻撃が命中しなかったなどがこれに当たる)。

ダメージが入っていないため、傷害よりも刑罰は軽く、2年以下の懲役(禁錮)か30万円以下の罰金(科料)となっています。

また、第208条の3においては複数の人が他人に対して傷害をあたえる目的で凶器を準備して集合することを禁止しています。要は集団暴行を未然に防ごうという法律と言えます。

まとめ

最終的に短くまとめると、「相手にダメージを与えるようなことをするのが暴行罪であり、そして実際にダメージが入ってしまったならば傷害罪になる」ということが言えると思います。

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