集団的自衛権ってどういう意味?

集団的自衛権に関する論争がここ近年において活発化していますが、集団的自衛権の意味や法的な部分の問題などをまとめていきます。

※2017年4月現在における自衛隊法をもとに記事を書いています。自衛隊法は改正回数が多いため、ここに書かれている情報がすでに古いものになっている可能性もあります。

そもそも集団的自衛権とは?

集団的自衛権という単語だけを聞くと難しく感じるかもしれませんが、内容はいたってシンプルです。

日本・A・Bという国が非常に緊密な関係である。
ある日、Bという国がCという国から攻撃を受けた。Cの軍事力は強大であり、Bが単独でCの攻撃を撃退することは難しい。そこで、日本とAがBの味方をして3国でともにCの攻撃に対して対抗した。

つまり、日本・A・Bが一つの軍事同盟として機能し、3国のどこかが攻撃を受ければ同盟全体で対抗しようというものです。

集団的自衛権を行使する権利は日本にもある

集団的自衛権は国連で定められた決まりであり、国連加盟国である日本にも当然その権利はあります。しかし、日本では憲法第9条によって交戦権の放棄を明記しているため、集団的自衛権は日本では認められていないのではないかと主張する人がいるため、論争となっています。

※憲法と集団的自衛権に関する問題はここで詳しくは取り扱いません。

集団的自衛権は条件がそろったときに行使可能になる

集団的自衛権はどこかの国が攻撃を受けたからと言って好き勝手に行使できるわけではありません。集団的自衛権を発動させるためには以下の4つの条件がすべてそろわないといけません。

  1. 武力による自衛を行う必要性があるか?(話し合いでの解決ができるならまずそちらから)
  2. 必要最低限の自衛であるか?(攻撃を受けたからと言って相手国を統治下に置くのはダメ)
  3. 攻撃を受けた国が正式に「攻撃を受けた!」と発表したか?
  4. 攻撃を受けた国から援助要請が来ているか?

これらの条件がそろったときに初めて集団的自衛権を行使するという選択肢を選ぶことができるのです。

自衛隊法ではどうなのか?

実際に集団的自衛権が行われるとするならば、それを実行する自衛隊の決まりである自衛隊法が関係してくると思われるので、その中身を見てみます。

自衛隊の決まりである自衛隊法においてもっともレベルの高い任務として防衛出動があります。そして、防衛出動ができる条件としては以下の2つの項目があります。

一  我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した事態又は我が国に対する外部からの武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至つた事態
二  我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態

引用:自衛隊法

自衛隊の任務にはほかにもミサイルの迎撃などにがありますが、それらは基本的に「日本の存立が脅かされるとき」というような文言が入っているため、海外の危機に対してはこれら法律では対処できません。

しかし、防衛出動に関しては2項に「他国に対する武力攻撃によって日本の存立が脅かされるとき」という感じで書かれています。

つまり、親密国が攻撃を受けたことによって日本にも大きな影響があると総理大臣が判断すればたとえ日本が直接攻撃を受けていなくても防衛出動が可能である、つまり集団的自衛権の行使が可能であるとも読み取れます。

ただし、こっちの理由で防衛出動をする場合は武器の使用は認められていません。また、防衛出動には議会の承認が必要なため、議会で否決されれば防衛出動を行うことはできません。

ちなみに、自衛隊法第84条の5においては海外における外国軍に対する後方支援などを部分的に認められた特別法の範囲内の活動なら特別に行うことができるとしています。内容は後方からの救援物資の配給や船舶の検査などがあります。

これらは、いわゆるPKO活動を行うためにこれらの法律が作られたものだと考えられます(こちらは必要最小限の武器使用が認められているが、いずれも防衛出動のように大きく動けるわけではない)。

今の法律では集団的自衛権を行使しても後方支援が限界?

そもそも憲法で集団的自衛権は認められているかどうかは別として、自衛隊法で見た場合、いわゆる集団的自衛権を行使しても武器使用が認められていないため、現実的には後方支援を行うのが限界と考えられます。

また、集団的自衛権の行使はあくまで権利であり、行使をしないという選択肢もあります。

過去に政府が憲法解釈を変えたということが大きな問題となりましたが、自衛隊の運用は自衛隊法そのた特別法によってなされています。そのため、法的にも集団的自衛権が可能となるならば、ここの法律を変えるか、特別法を制定することによってそれがなされると考えられます。

※ちなみに、自衛隊は戦後防衛出動を行ったことは過去一度もありません。

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