民法の中身を見てみる 第5編「相続」前編

民法の最後は相続についてまとめられています。

相続とは

相続とは、ある人がもっていたものすべてをほかの人に受け継ぐ制度と言えると思います。

受け継ぐ人は一人とは限らず、また様々な状況も想定されるのでそういったことを考えて相続にはルールが決められています。

第1章 総則(第882条~第885条)

相続は死亡によって開始する、その場所は亡くなった人の住所であるとしています。相続にかかる費用は亡くなった人の財産から差し引かれます。

また、相続を受けた人が相続権を侵害されたと知った時は5年以内(かつ相続開始後20年以内)に相続回復を請求することができます。

第2章 相続人(第886条~第895条)

誰が相続人になることができるのかという決まりです。以下に相続人になれる人を列挙してみます。

  • 0.配偶者(第890条)
  • 1.胎児(第886条)、子ども(第887条)
  • 2.孫(子どもが死亡しているか、相続人になれない場合。第887条)(子どもと孫も相続人にならない場合で曾孫がいる場合は曾孫が対象となり、法的には無限に下まで続く)
  • 3.親(第889条)(親が相続人になれば位場合は祖父母が対象となる。上は死亡者から一番近い等身の人が対象となる)
  • 4.兄弟姉妹(第889条)
  • 5.甥・姪(第889条)

基本的に子どもが優先されて、子供がいない場合は孫、直系の子供がいないなら親、親もいないなら兄弟が相続対象となります。相続対象になった人よりも優先順位が低い人は相続対象とはなりません。

ただし、これとは別に配偶者はいかなる状況においても相続の対象となります。(そのため、上のまとめではあえて0という数字にしました)

相続人になれない人

基本的には上の順番で相続人が決定しますが、民法では相続人になれない人というものを決めています。以下に該当する人は相続を受けることはできません。

  • 相続の優先順位が自分と同じか、高い人を故意に死亡させて刑罰を受けた時(過失だと相続人になれるようです)
  • 相続を受けるほかの人が殺されたことを知った時に警察に訴えなかった人(ただし、訴える能力のない赤ちゃんや殺人を行った人が自分の配偶者か直系血族の場合は別)
  • 相続を受ける人に対して脅迫を行って相続を受ける意志を捻じ曲げようとした人
  • 死亡者の遺言書を書き換えたり隠したりした人

第3章 相続の効力(第896条~第914条)

相続の効果について書かれています。

相続されるものとそうでないもの

相続とは「もっていたものすべてを」と書きましたが、賃貸権など一部の物は相続対象にはなっていません。

とはいえ、対象となる部分は多く、死亡した人が持っている知的財産権などの権利はもちろん、借金があれば借金も、そして死亡した人が保証人や連帯保証人となっている場合はそれも相続によって引き継ぐこととなります。親は資産なんて持っていないから相続なんて簡単に終わりそうなんて思ってはいけません。

相続の割合

相続人が複数いた場合、死亡者が遺言を残している場合はそれにしたがって割合が決められますが、遺言を残していなかった場合はここの決まりにのっとって相続の割合が決められることになります(法定相続)。

法定相続の割合は基本的に配偶者が半分以上の相続を受けることができます。配偶者が相続できる割合は、他の相続が受ける人が子供の場合は半分を、親の場合は3分の2を、兄弟姉妹の場合は4分の3を相続することができます。

ただし、必ずしも法定相続の割合が適用されるわけではないようです。

生前に死亡者に対して特別な資産のやり取りがあった場合

生前に相続人となる人が死亡者から資産を受けていたか、逆に死亡者に対して資産を与えていた場合は、それらの分はやり取りをする前の状況で相続の割合を決めることになります。

そうでないと、不公平が生じる可能性が出てくるためです。

分割協議

相続を受ける人が複数人いた場合、その人たちで話し合って分割の割合を独自に決めることができます。遺言にしても法定相続にしてもその割合しか書かれていないため、貯金と家と車みたいにいくつかの資産があった場合、それを誰のものにするのかを決めるのです。

よく話し合った後で分割の内容を全員が合意すれば遺産分割協議書というものが作成されます。これを作っておかないと後でもめ事になりかねないからです。

ちなみに、全員の合意が必要なため、話し合いがこじれて決着がつかない場合は調停を申し出てそこで話し合いをすることになります。それでも決着がつかなければ最終的には裁判で決着をつけることになります(このあたりは離婚の話し合いがこじれた時と同じですね)。

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