民法の中身を見てみる 第5編「相続」中編

相続は必ず受けとならければならないというわけではなく、放棄することもできます。

第4章 相続の承認及び放棄(第915条~第940条)

相続を受け取るか、または放棄するかについての決まりが書かれています。

相続の承認および放棄は自分が相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内にしなければなりません。もしここで何もしなかった場合は相続することを決めたとして扱われるため(単純承認)、もし死亡者が借金などを抱えていた場合は自身がそれを返す必要が出てきます。

もし相続放棄をしたいのであれば、それを家庭裁判所に宣言しなければなりません。もし相続放棄をした場合はその人は最初から相続人の対象ではなかったとして扱われ、残りの相続人の間で資産を相続することになります。

死亡者が資産と借金を両方抱えていて、どちらが多いかが判別できない場合は限定承認という方法をとることもできます。限定承認をした場合は、もし資産の方が多ければ借金は全額返さなければいけませんが、借金の方が多い場合は資産分のみを返済すればよいのです。

上の説明を表で分かりやすくまとめてみます。

単純承認 相続放棄 限定承認
引き継ぐ資産(借金) 全て なし 全て
他の相続人がいた場合 全員の合意が必要 合意は必要ない 全員の限定承認の合意が必要
借金がある場合 全て返済する必要あり 返済する必要はなし 相続される資産の範囲内で返済する必要あり

第5章 財産分離(第941条~第950条)

死亡者や相続人の債権者が債権回収に困らないためにするための決まりですが、相続の当事者からするとあまり関係ない法律であり、また現在においては債権者にとってもあまり利用することの無い制度となっています。

第6章 相続人の不存在(第951条~第959条)

相続人がいないときの決まりです。

死亡者の相続人がすぐに見つからない場合は、その資産はいったん法人として扱われます。その後、家庭裁判所が相続財産管理人を選任して相続財産管理人が本当に相続人はいないのかを捜索します。

選任後2ヶ月経っても相続人が見つからない場合

もし捜索を行って相続人が見つかれば相続が始まりますが、2ヶ月経っても見つからない場合は、今度は死亡者にお金などを貸している人に対して資産を返済できることを公示します。この間にお金などを貸している人はその資産からお金などを返してもらうことができます。

この期間は2ヶ月以上の決められた期間続きます。

さらに2ヶ月経っても相続人が見つからない場合

さらに2ヶ月たっても相続人が見つからない場合、管理人または検察官の請求によって家庭裁判所がいるかもしれない相続人に対して相続の権利がありますよということを公示します。

この期間は6ヶ月以上の決められた期間続きます。

それでも相続人が見つからない場合

それでも相続人が見つからない場合は、もはやこの資産を相続できる(あるいはお金を返すことのできる人)はいないと判断され、そこで相続は終了します。これ以降に権利を申し立ててももう手遅れです。

死亡者に特別縁故者(死亡者と特別仲の良かった人)がいて、申し立てがあった場合はその人に資産のすべてまたは一部が分配され、それでも残った資産は最終的に国庫に入ることになります。

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