2つ以上の犯罪を同時に犯したらどうなる? ~併合罪とは~

2つ以上の罪を同時に犯した場合、罰則はどのようになるのでしょうか?

併合罪

2つ以上の犯罪を犯した場合の決まりとして、刑法第45条~第55条に「併合罪」というものが定められています。

裁判でまだ刑が確定していない2つ以上の犯罪はもちろん、禁錮刑以上の確定判決とまだ刑が確定していない犯罪の組み合わせでも併合罪が成立します。

刑罰はどれだけ重くなる?

懲役(禁錮)が2つ以上

たとえば、ある人が店に訪れ、「あの店員は前に客からお金をだまし取った悪い店だ!」と言って、商品を盗んだとします。この場合、この人は「名誉棄損罪」と「窃盗罪」の2つの犯罪が成立します。前者は3年以下の懲役であり、後者は10年以下の懲役となります。

この場合、併合罪が成立すれば、刑法第47条によって最も長い刑罰である10年に1.5倍をかけた15年までの刑罰を言い渡すことができます。しかし、この条文にはそれぞれの刑罰の合計を超えてはならないという決まりもあるため、実際に刑罰を言い渡すことができる懲役の期間は10+3の13年ということになります。

ちなみに、懲役刑と禁錮刑が重なった場合どちらが重い罪となるのかは細かい決まりによってきめられています(刑の重さに関してはこちらの後半にまとめてあります)。

1つの犯罪に対する懲役刑の上限は20年となっていますが、併合罪が成立した場合は最大で30年の懲役を言い渡すことが可能となります。

20~30代の女性8人を襲ったとして、強姦(ごうかん)致傷などの罪に問われた元サッカーJ2選手の神村奨(かみむらしょう)被告(27)=相模原市南区=に対し、横浜地裁は12日、求刑通り懲役30年の判決を言い渡した。片山隆夫裁判長は「同種の事案と比べても極めて悪質な犯行。有期懲役の上限が相当だ」と述べた。

引用:強姦致傷の元J2選手、懲役30年判決 女性8人襲う – 朝日新聞デジタル

上記の事件の場合、8人の被害者が存在しますので、罪の数も8つとなり(実際はもっと多いかもしれない)、併合罪が適用された形となっています。強姦罪は有期懲役(つまり、最大20年)となっていますので、その1.5倍である30年の懲役を言い渡した形になります。裁判長もこの刑罰を「有期懲役の上限」としています。

罰金が2つ以上

では、罰金刑が2つ以上の場合はどうでしょうか?

先ほどの例である「名誉棄損罪」と「窃盗罪」に対して両方罰金刑を言い渡すとなった場合は、名誉棄損罪の罰金の最高額は50万円であり、窃盗罪の罰金の最高刑は50万円となっていますので、単純にそれらの合計金額である100万円を超えない範囲での刑罰を言い渡すことができます。

懲役と罰金

二つ以上の犯罪について懲役刑と罰金刑を同時に科すことも可能となっています。

併合罪が認められない組み合わせ

どんな刑罰でも併合罪が適用されるわけではなく、特定の刑罰に関しては併合罪の適用ができません。その組み合わせは以下の2つのパターンがあります。

言い渡される刑罰 併合できない刑罰
死刑 没収以外のすべての刑罰
無期懲役・無期禁錮 罰金・過料・没収以外のすべての刑罰
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