法律と条例の違いって何?

法律と条例の違いについてまとめていきます。

「法律」は国全体のルール

法律と条例を比べた場合、法律とは「国全体が守らなければいけないルール」となります。日本の法律は日本にいる限りどこの都道府県にいたとしてもそれを守らなければいけません。

「条例」は地方自治体のルール

一方の条例とは、都道府県が各自に決めるルールのことです。細かい違いはあるかもしれませんが、基本的に作るときにそれが法律や憲法に反していないかを審査したり、議会の一定以上の賛成が必要なことはどこでも同じでしょう。

わざわざ法律で決めるまでもないような小さな決まりについては、都道府県やそのさらに細かい市町村レベルでの条例が作られることになります。

条例の中でもいくつか聞いたことがありそうなものを紹介してみます。

迷惑防止条例(全ての都道府県)

大勢に迷惑をかけるような行動を禁止した条例です。わざわざ法律で作るまでもないとしつつも、似たようなものがすべての都道府県に存在するという条例になっています。

正式名称は都道府県で異なり、たとえば東京都だと「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」という名前ですが、神奈川県だと「神奈川県迷惑行為防止条例」という名前になっています。

具体的にどういった行為を禁止しているのかというと、痴漢やストーカー、押し売りや客引き行為などを禁止しています。

条例のためか罰則も都道府県ごとに微妙に異なるのも特徴と言えるでしょう。

景観条例(多くの都道府県)

街並みの景観を守るための条例です。迷惑防止条例みたいにすべての都道府県で施行されているわけではありませんが、それでも取り入れている都道府県は少なくありません。

具体的には、立てられる建物に制限をつけることによって、景観を損なうような建物が立たないようにするのが目的です。

大阪府安全なまちづくり条例(大阪府)

大阪府で制定されている条例です。大阪府の治安を守るために作られたものですが、この中の19条には「正当な理由なしに鉄パイプやバットを携帯してはならない」という決まりがあります。

正当な理由なしに鉄パイプとか持ってたらアウトなんじゃないのかと思いますが、大阪府公安委員会によると、以下のような理由を挙げています。

鉄パイプ等の正当な理由のない携帯を規制する法令としては、軽犯罪法(昭和23年法律第39号)があり、同法第1条第2号では正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を「隠して携帯すること」を規制しているが、「隠して携帯すること」が要件であるため、人を襲撃する等といった強盗、傷害等の犯罪を犯す目的で鉄パイプ等を携帯していても、公然と手に持っている場合や、乗用車の助手席や後部座席に単に置いている場合には、「隠して携帯する」という要件に当たらないため、人に危害を加える危険性は同じであるにもかかわらず、同法違反には該当せず許される行為とされている。

引用:大阪府安全なまちづくり条例第19条第1項及び第2項の規定の解釈及び運用に関する基準

要するに、すでに法律として存在する軽犯罪法では「鉄パイプを隠して携帯するのはアウトだけど、鉄パイプを堂々と持って歩くのはセーフ」となっているから条例で規制するということなのです。

大阪府公安委員会は鉄パイプはともかくバットやゴルフクラブとかはみんな普通に使うものだから調べるときは慎重にするべきなどと警察官が条例を曲解しないように制限をかける文章も盛り込まれています。

この条例は警察が難癖をつけて人を陥れる危険性があるという批判意見も出ています。この条例がはたして「安全なまちづくり」として機能するかどうかは注意深く見守っていく必要があると思われます。

 この罰則の対象は、本来何ら犯罪行為とならないはずの行為にかかわらず何らかの事由で正当事由を警察官に認めてもらわなければ罰せられるという構造を持つもので、いわば犯罪予備ともいえない行為すら犯罪にするという極めて重大な問題を含んでいる。市民の自由権を最大限に保障している憲法に違反するものと考えざるを得ないし、職務質問を受けた際これを拒むことが許されず、黙秘権が侵害されるという結果を招くおそれが強い。

引用:大阪府安全なまちづくり条例についての意見書 – 大阪弁護士会

最初にも書きましたが、条例を作ることができるのは法律・憲法の範囲内のみに限られます。

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