私戦予備および陰謀罪もこの中に 第4章「国交に関する罪」

犯罪行為となる刑法の第4条「国交に関する罪」に関してまとめてみます。

正常な国際関係を維持するために

この法律は日本が世界中の国と国交を結び、またその中において日本の利益を最大限得るために定められた法律です。主に外国とのやり取りの中でやってはいけないことが書かれています。

第92条:外国国章損壊等

刑罰:2年以下の懲役または20万円以下の罰金

外国を貶す目的で外国の国旗や国章を壊したりすることを禁止しています。しかし、現状では日本にある全ての外国のシンボルマークが対象になるわけではなく、日本の中でも外国の大使館など正式な場所に掲揚されている国旗などにのみ適用されることが多いようです。

 「北方領土の日」の2月7日、東京のロシア大使館近くで日本の右翼活動家がロシア国旗を侮辱したとされる問題で、日本外務省が同月下旬までに同大使館や在モスクワ日本大使館を通じて、ロシア側に「外国国章損壊罪(刑法92条)に当たる事実は確認されていない」と伝えていたことが分かった。

ロシア側の情報によると、日本の警察当局が捜査した結果「侮辱されたのはロシア国旗を模した手製の物体。大使館に掲揚されている国旗を侮辱したのなら罪に問われるが、そうではない」と判断したという。【犬飼直幸、モスクワ田中洋之】

引用:<ロシア国旗>侮辱の事実なし、日本が伝達 – Yahoo!ニュース

※引用元はアーカイブされたものです。

また、親告罪とされているために、国のシンボルマークを壊された国が訴えなければ警察は動くことができません。

第93条:私戦予備及び陰謀

刑罰:3年以下5年以上の禁錮

外国に対して個人で戦闘を行おうとした人に対して適用される罪です。この私戦予備および陰謀罪に関しては2010年代になってこんなニュースがあります。

 2014年10月、警視庁公安部は北海道大学の男を「私戦予備および陰謀」の容疑で事情聴取すると共に、都内の関係者先の強制捜査を行った。北大生の男は現在休学中で都内の友人宅に寝泊りしており、中東で過激なテロ活動を続けている「イスラム国」へ戦士として加わるために渡航準備中だった。

引用:【シリア・北大生】重くも軽くもない「私戦予備罪・陰謀罪」とは? – 知的好奇心の扉 トカナ

この条文で検挙された人は過去に存在せず、また今回警察が動いたのも世界情勢を鑑みての部分があると考えられるため、この法律が現実問題として生きているかどうかは微妙なところです(もちろん上記の記事も法的には間違ってはいないと考えられますが)。

ちなみに、警察が認知する前に自首した場合は刑罰が免除されます。

第94条:中立命令違反

罰則:3年以下の禁固または50万円以下の罰金

二国間の戦争が発生している状況において、政府が発令する局外中立命令に対して違反したものに対して適用される罪です。政府が命令を出さなければ適用することができない法律ですが、これだけではどういう意味か少しわからないような気がします。

過去に起きた例を挙げてみると、明治31年4月30日に出された「北米合衆國と西班牙國の交戰に局外中立の詔勅」が発令されています。この5日前にアメリカ合衆国とスペイン帝国の間に戦争が起きたのですが、この発令があったことによって初めて第94条が効力を発動し、この発令に違反するとこの法律に抵触するということになります。

ちなみに、戦後においてもいくつか戦争は起きていますが、戦後においてはこの法律が効力を持つような発令はされておらず、現状では決まりがあるだけの法律になっています。

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